SOLUTION
CASE 1
品質向上
見える化・可視化
量産化期間短縮
工期短縮
「3DデジタルツインでFA業界をDX!」
ラティス・テクノロジー株式会社
鳥谷:
本日はよろしくお願いします。
山口:
よろしくお願いします、お忙しい中お時間をいただき、ありがとうございます。
鳥谷:
今回、立花エレテックさんとセールスパートナーとして共にソリューションを提案できること、嬉しく思います。改めて、当社を紹介させてください。当社は「3Dで世界を変える」を理念のソフトウェア開発会社です。製造業の3D データ活用ソリューションの提案とサービス、コンサルティングなども行っています。当社の独自技術は3DCADデータを100分の1まで軽量化できる「XVL」です。3DCADデータを桁違いに軽量化し、XVLで表現することで、3DCADデータでは難しかった大規模モデルを表現します。これは現地現物を置き換えることのできる「3Dデジタルツイン」です。この3Dデジタルツインを利用してデジタルでデザインレビュー、組立工程の検証を行うこともできます。
鳥谷:
一般のパソコンでは閲覧が難しかった3D CADデータをタブレットなどでも参照し、情報共有することで、組織の壁を壊し、部門を超えてのコラボレーションを促進します。このことを、手軽に3Dモデルにアクセスして仕事を進めていくという意味で「Casual 3D」と呼んでいます。「設計」だけの資産を「全社」の資産に変えていくことで、企業全体の生産性を高めることができます。まさに製造業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)です。
鳥谷:
立花エレテックさん(以下、立花さん)といえば、技術色の強いFA商社というイメージですが、どのような特徴があるのでしょうか?
山口:
当社は電機・電子の技術商社で、社員の4分の1がエンジニアであることが特徴です。お客様の問題解決や要求を実現するため、システムのコンサルティングやハード・ソフトウェアの設計・製作を含むソリューションの提案など提案型の事業を推進しています。拠点が全国にあるのでお客様へのサービスレベルの均一化を保っています。海外ではアジア圏が中心で、中国が拠点となっています。今後はタイなど他のアジア圏へもサービス力を高めていきたいと考えています。最近はコロナウイルスの影響で環境が大きく変わってはきていますが、長い目で今後も技術商社としてやっていきたい。そのためには、よりお客様の要望に柔軟に対応、そしてプラスαの提案をしなければならないと痛感しています。
鳥谷:
具体的にどんなプラスαでしょうか?
山口:
当社は三菱電機の代理店ですので、三菱製の販売シェアが高いですが、今後は三菱製品だけでなく、そこに様々な商材・サービスをプラスαでシステム提案をしていくことをより強化していきます。今までもやってきましたが、今後も推進していきます。
鳥谷:
立花さんは三菱PLCの販売シェアで全国トップクラスを誇っていますよね、当社製品の仮想メカシミュレータ「XVL Vmech Simulator」は、三菱製PLC向けに専用インターフェースを開発しており、相性が非常に良いです。また、汎用のインターフェースOPCを介して、様々な汎用機器ともつながります。パッケージ化したソリューションとして、製造業のお客様に協力して今後提案していきましょう!製造業のお客様の実態を熟知する立花さんとパートナーになれたことは、光栄です。
山口:
ラティス・テクノロジーさんは情報通信系の商社さんとの取引が多く、FA系がないということを知り、立花エレテックからすると「今!」、「これをやっていきたい」と強く思いました。
山口:
ラティスさんの製品のひとつ、XVL Vmech Simulatorについて詳しく聞かせてください。
鳥谷:
PLC上のソフトウェアで制御される設備の動作を3Dでシミュレーションするソリューションです。これを利用すれば、制御ソフトを設備の実機ができる前に仮想で検証できます。工場設備の垂直立ち上げを支援します。具体的には、仮想の設備モデルと、コントローラや制御ソフトウェアを接続し、実際に動作を確認しながらソフトウェアのテスト、デバッグを実施します。設備の動きを事前に3Dで確認できるので、実際のメカの組み上がり待ちや、バグによるメカの破壊など、立ち上げトラブルを回避でき、早期 & 高品質な制御ロジックを作成できるというわけです。
山口:
事前にシミュレーションをすることで、設備 ・装置の立上げを大幅に短縮することができるのですね。バグがすぐにわかること、そして見える化をすることが今後の人手不足になる製造業においてキーになることは間違いありません。昨年のCEATECでラティスさんの製品を使ったデジタルツインの展示をさせていただきましたが、それ以前からラティスさんの製品を知っていたんです。
鳥谷:
そうでしたか!
山口:
初めて知った時、衝撃を受けました。3Dデータは、設計部門が中心で使用されるものというイメージが強かったんです。3Dを使えば、今後、製造業の様々な部門で業務を改善できると思いました。
鳥谷:
山口専務の考える、 近未来のスマートファクトリーとは、どんなものでしょうか
山口:
「無人の工場」そして、「止まらないライン」です。止まらないラインは、昨年のCEATECの当社の出展テーマでもあります。今後必ず訪れる人手不足・後継者不足の時代において、工場のラインが止まらない仕組みが必要になっていくと思います。国内の工場のみならず、海外の稼働状況がリアルタイムでわかる、誰か1人さえ見ていれば、それでOK。そんな状態が求められる時代がやってきます。当社は工場の無人化を促進する「確かな技術」を提案する商社を目指します。
鳥谷:
後継者不足で、熟練の技に頼っていた時代が、まさに変わろうとしていますね。そして、誰でも簡単にできるということが現場にとって極めて大事です。
山口:
更に「なんでも簡単に見える化」ができたらいい。画面で見るだけで、誰でも工場の稼働状況はもとより、部品・機器の寿命がそろそろきている等が簡単に分かれば更に良い。考えなくてもすぐ分かる状態がベストですね。
鳥谷:
「見えないものを見える化する」というのは、実は3Dデジタルツインのコンセプトでもあります。今言われた部品の寿命などは現物の情報をIoTで受け取ることで、3Dモデル上の部品の色が変えれば、誰でも分かります。現物を見ていても見えないものが3Dデジタルツインの上では見えるようになるのです。更に言えば、故障した際、現場で使う作業指示書もXVLを使って3D作業指示ができるようになっています。複雑なデータも、3Dで説明することで、言葉が通じにくい外国人教育にも分かりやすく伝えられますし、ミスを防ぐことができるんです。
山口:
ヒューマンエラー、いわゆる「ポカミス」を防ぐため、現場では日々対策を打っています。文字より写真や図、さらにプロジェクションマッピングだとより分かりやすいですが、XVLを使っての3D作業指示ツールであれば、我々のお客様に提案していく価値が大いにあると考えます。
鳥谷:
直観的に理解しやすいツールは現場にとって大切ですね。
山口:
このような技術を、お客様に実際に触れてもらう機会を作っていきます。現場第一主義の日本ですから、「本当に使えるのか?」が1番に来るのは当然です。
鳥谷:
それは我々も痛感しています。最新のテクノロジーを開発したとしても、ユーザー業務に定着するには、完結していないと使ってもらえない。このあたりは、ユーザーにどう訴求していくのでしょうか。
山口:
はい、これから我々の製造業のお客様に導入シミュレーションを体感してもらうため、当社の本社1階にラボルーム「TC Smart Lab」を設置しました。お客様が抱える人手不足、ノウハウの継承、生産性向上、コストダウンなどあらゆる課題を解決するソリューションを実際に体験・体感することができます。新しいものを導入する際、経験が一番に邪魔をします。見せて体感してもらうことが一番だと考えます。これだったら動きが見えることで、「もっとこんなことできますよ」と提案できます。
鳥谷:
まずは体感していただき、お客様に受け入れてもらわないといけませんね。将来、立花さんの拠点へ行き、スマートグラスをかけると「VRで現物大で工場が見れる!」そんな未来も近いですね!このようなサービスが定着していけば、いずれ「ストックビジネス」になってくるでしょう。
山口:
ストックビジネスですか。
鳥谷:
はい、工場の新設・リニューアルは何年に1回であり、頻繁にあることではありません。お客様は工場を作ることが目的であり、ツールやサービスを使うことが目的ではありません。そうすると、工場内のデータ作るところからシミュレーションをつくるところまで、全てお任せします!というお要望が増えるのではないかと考えています。
山口:
そうですね、そのような時、我々には技術部隊があり、また様々なSIerと提携しているので、対応が可能です。
鳥谷:
お客様の工場データを持ち続け、工場のメンテナンスを含めてずっとサポートしていく、そんなサービスをお客様は望まれるでしょう。立花さんに任せれば、工場は安心だ!という世界です。
山口:
アフターサービスも含めたトータルソリューションを構築していきたいです。実際の工場で不具合が起こる前に、当社が作ったバーチャルモデルで予知できる、そして「ここをシミュレーションしたらどうですか」「ここ誰かが動かしたのではないですか?」「そこをいじったらだめですよ」など、お客様に説明・提案ができたら良いですね。なにより、機械と電機の動きを3Dを使って机上で把握し、話し合いができるようになるのは画期的です。
鳥谷:
3密を避けなければならない、まさに「ウィズコロナ」時代において、よりニーズが出てくると思います。アフターコロナの立花さんの進化について、教えてください。
山口:
「技術商社」で生きていくため、「システム」がキーポイントだと考えます。何をするかとなったとき「M2M」(機械間通信)を中心にビジネスを展開していこうとしています。1番大事なのは全国のお客様へのサービスレベルを均一化すること。システムで生きていったとしても、サービスレベルを均一化は必ずやっていきたいです。お客様に喜んでいただき、立花が必要だと思ってもらえるには付加価値がないとアフターコロナの時代はさらに厳しいと感じます。
鳥谷:
世の中には新型コロナのトラウマが残りますから、次に新たな感染症が発生すると皆すぐにリモートワークになると思います。
山口:
それは当たり前になるでしょうね。
鳥谷:
今はIT業界やオフィスワーカーがリモートワークですが、製造業も必ず促進しなければならない時が来ます。そのためには現地・現物を3Dデータ化し、活用していく。それが「3Dデジタルツイン」です。これをぜひ、立花さんのスマートファクトリーの構想とともにやっていきましょう!
山口:
3DデジタルツインでFA業界をDXできるよう、パートナーとして今後もよろしくお願いします。
鳥谷:
本日はありがとうございました。
山口:
ありがとうございました。